DNPハイパーテック
Sponsored by 大日本印刷株式会社

DNPハイパーテック

専務取締役
須山 徹(右側)

京都市出身。京都大学工学部卒業。大手メーカーで半導体プロセス研究開発、Windowsと組み込みソフト開発に関わる。1999年に株式会社ハイパーテック(現DNPハイパーテック)入社。DVD-Video制作ソフト、CrackProof開発等に携わる。

DNPハイパーテック

マーケティング部 部長
鶴衛 正紘(左側)

滋賀県出身。IT企業でのWebデザイナーを経て2007年に株式会社ハイパーテック(現DNPハイパーテック)入社。2008年からゲーム業界を中心としたプロモーション企画に従事。現在はマーケティング業務の傍ら、製品企画にも携わる。

DNPハイパーテック

マーケティング部 BtoB担当
小林 亜実(中央)

京都市出身。神戸大学経営学部卒業。大手セキュリティ企業で営業職に従事した後、2014年に株式会社ハイパーテック(現DNPハイパーテック)入社。BtoBマーケティング担当として製品プロモーションに携わる。

大日本印刷がなぜ、Unite Tokyo 2017に参加するのか

DNPハイパーテックさんは、大日本印刷(以下DNP)グループと伺いました。DNPといえば、やはり出版を中心とした印刷事業が中心という印象が強いのですが……。

須山 はい。印刷の世界というのは……例えば書籍や雑誌などは、出版社様から世の中に出る前の情報をお預かりし、本の形に変え、世に出しているものです。DNPは、お客様の大切な情報をセキュアにお預かりし、ものづくりをする仕組みを構築しています。
また、DNPはICカードのOSの開発や、金融サービスの認証や決済のバックエンドの仕組みなど、ITに関わるシステム構築や運用もおこなっています。
最近では、DNPグループ全体としては、世界的な問題となっているサイバーインシデントに対するセキュリティ対策として、世の中の情報や資産を守る、様々なセキュリティサービスを広めるミッションを持っています。
来場されるUnityでアプリを作る開発者の方と、サービス展開をする経営層の方に対し、ゲームアプリのセキュリティ対策の重要性を知っていただきたい。というのがUnite Tokyo 2017参加の経緯です。

2015年7月にDNPグループに入る前から、DNPハイパーテックさんはセキュリティ対策ソフトを開発されていますね。

須山 DNPハイパーテックの会社設立は1994年で、2004年頃から耐タンパ技術(アプリの解析・改ざんを防止する技術)をコアとした製品開発を開始しました。日本のゲームパブリッシャーさんの中にも多く弊社の製品のユーザーさんがいらっしゃいます。

小林 DNPハイパーテックの経営理念として「常に研究開発型企業であることを目標に、最新の技術を提供する」を掲げています。一番初めのプロダクトであるビデオCDオーサリングシステム以来、特許業務の支援ソフトなどさまざまな製品を生み出してきました。
現在は、今回のUnite Tokyo 2017の講演やブースでご紹介させていただく、アプリの堅牢化ソフトウェア「CrackProof for Unity」をはじめ、アプリの脆弱性診断サービス、ホワイトボックス暗号、などセキュリティ技術を軸としたサービスも展開しています。

ビデオCDのオーサリングシステムから、セキュリティを軸としたサービスにシフトしたきっかけというのはどういったものだったのでしょうか。

須山 世界初だったビデオCDやDVDのオーサリングシステムも、段々と他の会社が追随してきて、研究開発型を掲げる企業として、そういったプロダクトの開発に魅力を感じなくなってきたんです。世界初のシステムも、いずれコンシューマーソフトになってしまうわけですから。その中で、「今後世の中で何が必要とされるか」、「世界で存在していない技術はないか」を模索した結果、セキュリティ分野に進出することになりました。

鶴衛 弊社では、特許出願書類作成の支援ツール開発や、特許のコンサルティングも行っているのですが、特許コンサルティングをしていたお客様から「PC向けに動画配信サービスを提供するにあたって、利用者に配布するプレイヤーソフトをクラッキング(不正な解析・改ざん)から保護できないか」という相談がありました。その際に問題になっていたのは、動画コンテンツにかけられたDRMが、プレイヤーのクラッキングにより無効化され不正コピーが可能になってしまう、ということでした。そこでソフトウェアを解析・改ざんから守る技術=耐タンパ技術を製品化して今のCrackProof for Unityの原型ができたわけです。セキュリティというとすごく幅広いイメージがありますが、弊社はどちらかというと知的財産保護的な観点ではじまっています。

須山 弊社の社員がセキュリティに対して、ノウハウを持っていたというのも大きいですね。5インチフロッピーディスク時代、違法コピーが非常に問題になっていて、その時代からどうすればコピープロテクトを実現できるのか、どのようにして破られてしまうのか、といったところを技術的な興味からずっと研究してきた社員が弊社におり、セキュリティに関する造詣があったということで、スムーズに製品開発に移行することができました。

日本発、世界中のゲームのセキュリティを支える技術

CrackProof for Unityについてお聞かせください。

小林 UnityでAndroidアプリやWindowsアプリを開発した場合、開発言語の仕様でセキュリティ強度が低下することを懸念されているお客様が複数いらっしゃいました。これらのお客様からの声を元に2016年に発売したのがCrackProof for Unityです。 CrackProof for Unity にはAndrid/Windows対応版があります。CrackProof for Unityはアプリを不正な解析や改ざんから防ぐもので、ゲーム業界のお客様にはチート対策の目的でご採用頂いています。

CrackProof for Unityはどのように使用するのでしょうか。

小林 ビルドしたアプリをCrackProof for Unityのクラウドにアップロードすると、そこで自動的に堅牢化処理が行われます。これだけでチート対策が完了するため、お客様の作業はほとんど発生しません。あとはアプリの動作を確認してからストアでリリース、というのが一連の流れです。

須山 CrackProof for Unityの最大の特徴はセキュリティの知識が不要という点です。アプリのセキュリティというとソースコードに組込んだり、コンバーターでソースコードを変換したりするため、基本的には開発者が使うことを前提としています。CrackProof for Unityはクラウドにアップするだけなので開発スキルは不要、しかも数秒から数分程度で、セキュリティの処理が完了します。その使い勝手の良さがご評価いただいているポイントです。

ストアにアップする直前のファイルをサーバーにアップすると、堅牢化が施されてくる、というのは画期的ですね。

小林 ゲーム会社の方の中には、設計段階ではそこまでセキュリティを意識していなくても、開発途中やリリース後に「セキュリティも組み込んでおいた方がいいよね」と対策を考える方も多いと思います。そんな時にソース組み込み型のセキュリティだと途中から組み込むのがなかなか大変なのですが、弊社の製品であればビルド後に使えるため、お客様からはとても喜ばれています。

須山 こういったシステムは会社としての10年以上のノウハウ、開発者としての20年~30年のノウハウがあるからこそ、だと思っています。

セキュリティ対策は、企業の経営課題として認識されているのか? Unite Tokyo 2017のセッションで語られること

Unite Tokyo 2017ではどのようなセッションを予定されていますか?

小林 Unityでアプリを作る開発者の方と、サービス展開をする経営層の方に聞いていただきたい内容になります。 セキュリティ対策が必要ということ自体は、皆さん認識のある方が多いと思います。ただ、いざ対策を進める際には「サーバーも考えないといけない」、「通信も考えないといけない」など、実はやることが山のようにあります。今回のセッションではクライアント(アプリ)のセキュリティということにフォーカスして「クライアント(アプリ)を狙われたらどんな被害があるのか、その部分をどう対策していくのか」をお話ししたいと思っています。

須山 最近は、CEO、CIOがいてCISO(Chief Information Security Officer:最高情報セキュリティ責任者)という役職も出てきているくらい、セキュリティというものは、経営者のひとつの責任であると言われています。ゲーム業界においてもセキュリティを、企業の経営課題として捉えてほしいと考えています。

ブース出展も予定されていますが、どのような展示をお考えでしょうか?

小林 Unite 2017 TokyoのDNPブースでは、APKのファイルを実際にサーバーにあげて、ストアにアップ可能になるまでの処理時間の短さや手軽さを訴求できるようなデモをさせていただきたいと思っています。
セッションの内容はCrackProof for Unityに絞りますが、ブースではアプリの不審な振る舞いを開発段階でチェックする自動監査ツールや、アプリの通信を守り、P2P通信が可能なソフトウェア型のVPN製品など、様々なセキュリティ製品を展示する予定です。ゲーム業界に向けてのトータルなセキュリティの提案という形で、DNPグループの製品・サービスを展示しますので、ぜひご覧ください。
もちろん、我々もブースにおりますので、質問などがございましたらお気軽にお声がけをいただければと思います。

Unite Tokyo 2017来場者へのメッセージ

鶴衛 まず、経営層の方へのメッセージとして。スマホゲーム市場は成熟期に入り、激しい競争の中でゲームの運営を進めていらっしゃると思います。そこで、他社より頭ひとつ出るためにはチート対策は重要な経営課題であると我々は考えています。チート対策により公平なゲーム環境を作る努力をしているということはゲームをプレイするお客様にとってもひとつの価値になると思いますし、その部分で弊社がお役に立てればと思っています。

小林 エンジニアの方にとっては、セキュリティ対策をしていないことによって、自分が愛着を持って書いたコードが様々な被害を引き起こすことになりかねます。講演では、被害と対策について、できる限り具体的にご説明したいと思っていますので、ぜひご聴講いただければと思います。

須山 セキュリティ対策には、ノウハウが必要で、短期でできることではないので、ぜひ、長年培った弊社の技術から生まれた、CrackProof for Unityをお使いいただいて、ゲーム開発に専念してください。